2010年 10月 02日
おちゃめの文例
e0130549_12234533.jpg「おちゃめ」という言葉を久しぶりに聞いた。大辞林には「ちゃめ【茶目】無邪気な子供っぽいいたずらをすること」とある。また時に「おちゃめ」に接尾語を足し「おちゃめさん」と言うこともある。

とはいえ、あまりに久し振りだったので「おちゃめ」が言葉の中でどのように使われていたかを思い出せず、そこから何かそうした文章はないものかと考え、ようやく一つ本棚から見つけ出した。以下に書く。

御免して頂戴

 吉子さん。
 仲直りしなくって?
 やっぱし貴女(あなた)が居なくちゃあたし、淋しくてやりきれないわ。今迄の事御免して頂戴ね。どっちもいけないのだけど、あたしの方が沢山悪かったわ。
 あのね吉子さん。
 あたしじっとして居るのが退屈で仕方がないの、だからすぐに悪戯(わるさ)をして飛び廻るのよ。吉子さんもちっとお転婆になりなさいな。二人で思いっきり、ちゃめさんになりましょうよ。
 怒っちゃ厭よ。わたしね貴女がはっきりとした動作をしてくれないと、心がムシャクシャするの。それですぐに怒っちゃうのよ。ほんとに怒っちゃ厭よ。これから二人とも、怒りっこなし。ね、
 いいでしょ、よく笑う子になりましょ。明日行ったら葉子の方から、おはようを言いますわね。それから仲直りの握手をしましょうね。
 きっと、さようなら。

(『女学生手帖』の「おたより文例集」より『新緑のたより』大正十四年)

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by hishikai | 2010-10-02 12:31 | 文化


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