2008年 09月 11日
麻生太郎氏の靖国神社特殊法人化案
麻生太郎氏の著書『自由と繁栄の弧』に氏の構想する靖国神社特殊法人化案がある。2006年に著わされたものだが、仮に麻生氏が総理に就任した場合、再び俎上にのぼることも考えられる為ここに整理する。内容は麻生氏の公式HPに掲載されたもの、及び朝日新聞に掲載されたものと同じ。

靖国神社に対する基本認識

(1)靖国神社は静謐な慰霊の場所であるため、政治からは遠ざける。
(2)靖国神社は日本人の集合的記憶であるので、代替施設はあり得ない。
(3)国家のための戦死者は、国家が最高の栄誉をもって祀る。
(4)天皇陛下の御親拝を実現しなければならない。

靖国神社の問題点

(1)靖国神社が宗教法人であるために、総理閣僚参拝と政教分離原則との関係が問題となる。
(2)民間団体であるために、ご遺族や戦友の方々の高齢化に伴って経営が逼迫する。

靖国神社の別形態への移行案

(1)靖国神社と護国神社を一体化して任意解散手続をとる。
(2)特別立法により特殊法人とする。
(3)名称は「国立追悼施設靖国社(招魂社)」とする。
(4)慰霊対象者は国会審議で決定する。
(5)祭式を非宗教的かつ伝統的なものとする。
(6)平和祈念事業特別基金を全部または半分程度、靖国社の財産とする。
(7)日本遺族会は公益財団法人とする。(崇敬奉賛会は現状のまま存続)
(8)付設の遊就館は行政府に管理運営を移管する。

私見

この案に賛成する。案の是非は靖国神社と日本遺族会の承諾如何にかかっている。両団体がこの案を承諾した時点で事の半分は終わっている。だが白紙委任ということはない。慰霊対象者と祭式が事前に内示され、両団体の検討を経て承諾案が作成され、残るはこれに対する民主党の賛否となるのではないか。承諾案がこの分水嶺を越えるようならば司法判断は合憲と出る可能性が高い。

だが護国神社との一括処理は避けるべきだ。戦前に行われた神社統廃合への強硬な反対運動を思い返しても、地域の信仰に触れることは得策でない。ナイーブな問題での時間的ロスは厳禁である。護国神社を現状で保全しても、この案への影響は少ない。御親拝の実現が最も重要である。

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by hishikai | 2008-09-11 12:20 | 憲法・政治哲学


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