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2009年 02月 20日
中川昭一著『飛翔する日本』より(一)
e0130549_305563.jpg「自分だけがよければいい」というエゴイスティックな価値観を抑制することは、それが効力を持つ社会、すなわちコミュニティにおいては発揮されていい。人間社会にとって重要な規範を身につけていないと、外国とやりとりする前に基盤となる日本そのものがおかしくなってしまう。

だが、現在の日本人が抱える深刻な問題の一つは、肝心要のコミュニティがあまりにも希薄になり、殺伐としていることである。コミュニティの弱体化は相互の情報不足も相まって、個人のエゴを肥大化させ、それが一人一人の「人間力」を落とすことにつながる。この悪循環が日本の衰退原因の一つになっているように感じる。(中略)

日常の買い物にしても、スーパーやコンビニに行けば、レジで支払いするとき以外はほとんど会話がない。自動販売機になるとおしゃべりすることなどない。それから、回転寿司の店で食事すれば、声に出して注文せずともいい。「ブロイラーのように」と言うと怒られそうだが、回転寿司の光景は黙々と「来た餌をつまんでいる」というように、私の目には映る。(中略)

卵が先か鶏が先かわからないが、「人間力」とコミュニティ、教育、日常生活の関係を改善する特効薬はない。そうであっても、地道に粘り強く取り組んでいきたい。日本が戦後の一時期を除いて長い間、独立を守り、独自の文明と豊かさを育むことができたのは、地理的な原因もあったにせよ、考え・行動する真剣な日本人の持つ改善力、進化力が源だったのではないかと思う。(飛翔する日本/中川昭一)

あるいは著者の主張する憲法九条の改正、教科書近隣諸国条項の撤廃、攻撃型原潜の常時配備を抄出する方が保守系ネット言論らしくて面白いのかも知れない。だがそれよりも著者のまともな人間観を示すことの方が、著者の失脚による日本の損失を浮上がらせ、且つその方が意味が重いと考え、敢えてこの地味な箇所を抄出した。

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by hishikai | 2009-02-20 13:46 | 憲法・政治哲学